
睡眠に関する資格の種類と取得方法
睡眠は人々にとってとても重要なものであり、快適に眠って熟睡したいというのは、誰もが願うものです。ただ人は、環境などによって熟睡出来ないこともあり、その原因は何かと探ろうともします。しかし、素人ではなかなかその原因をはっきりと特定するのは難しいものです。そんな睡眠に関する悩みを抱える方のために、科学的な知識を元に、原因を突き止め改善方法をアドバイスすることができるのが、睡眠に関しての資格です。不眠に悩む人が増える昨今の状況を受けて、そのような資格も数多くの種類が出てきました。そんな資格を今回はいくつかご紹介します。
日本睡眠改善協議会実施の睡眠改善インストラクター
「睡眠改善インストラクター」は、日本睡眠改善協議会によって実施されています。この協議会は、快眠のために必要な知識やスキルの重要性を世間に広く知らせ、不眠に悩む人の状況を改善するためにつくられた組織であり、快眠のためにアドバイス出来る人々を育てます。
この講義では、科学的な観点から、正しい睡眠に関する知識を得ることができるため、多くの人が悩んでいる睡眠トラブルを解消することが可能となります。取得したいときは、3日間の育成講座の受講後、認定試験にパスすると、無事取得できます。育成講座の開催は年に2回であり、定員は毎回50名までです。費用は受講料と認定料を併せて13万円となっていますが、この費用は今後変わる可能性もあります。育成講座の講義では、生体リズムや睡眠のメカニズム、睡眠環境や子どもや社会との関係、障害について、改善技術など、多岐に亘ります。この講義には、睡眠について専門的な見地を持ち、国内でもトップクラスのレベルの講師陣を招いています。睡眠に関する資格の一つ上には、「睡眠改善シニアインストラクター」があり、睡眠改善インストラクターの資格取得後、次の更新を行うことで睡眠改善シニアインストラクターの取得権利を得ることが可能です。
このため、睡眠のプロフェッショナルとしてスキルアップやステップアップを目指すような人は、是非とも取得すると良いでしょう。この試験にかかる費用は受験料と資格登録料を併せて2万5千円と安めの料金設定となっています。
睡眠改善インストラクターについてもっと詳しく知りたい方は、睡眠改善インストラクターとはの記事をご覧ください。
研究機関による認定
睡眠環境診断士という資格は、日本睡眠環境研究機構と呼ばれる特定非営利活動法人によって誕生しました。この資格は、睡眠に必要な環境のために睡眠はどのように起こるのかといた点や寝具ついての専門的な知識を得ることが出来ます。これにより、眠りのトータル的な評価を、人体からの観点だけではなく、寝具や寝室からも行うことができるようになります。資格を取得する時は、この研究機構が開く3日間の講座を受けて、認定試験に合格すると資格を得られます。環境講座は年に2回の開催で、定員は30名までです。費用は受講料8万円となっており、日本睡眠改善協議会実施の睡眠改善インストラクターよりも、費用をかけずに資格の取得を行うことが可能です。講義を行う講師は、医学の専門家をはじめとして理学や工学のプロの方々です。人が快適に眠れるために必要なことをさまざまな見地から知識として蓄えることができるでしょう。
この資格は、寝具関連のお仕事をされている方にとってとても有効となる資格です。さらに、宿泊施設や住宅、インテリア、福祉などと、仕事で快眠に関係があるような人におすすめです。特に、高齢化社会を向かえている現代では、体を自由に動かせないお年寄りのためのサービスが増加しているため、時代のニーズにあったものと言えるでしょう。
睡眠環境診断士について詳しく知りたい方は、睡眠環境診断士とはの記事をご覧ください。
睡眠健康指導士
この資格は、仕事でも大いに役立つので、より現実的な資格と言えます。睡眠に関する幅広い分野での研究や教育のために、2004年に睡眠学講座が滋賀医科大学に開設されました。この講座は、睡眠のための口座として国内で初めて行われたものです。これまで、睡眠の質にフォーカスをあてて活動しているは、海外であったため、睡眠について多くの人へ発信していくパイオニア的存在です。こちらでは、不眠や健康上の問題、障害と社会経済的な問題、そして脳科学と関連した研究や実践などが行われています。
睡眠健康指導士は、滋賀医科大学の睡眠学講座が認定する資格となります。不眠や睡眠の問題に対して、医薬品を使わず治療方法を行うことで、ケアすることができるようになり、睡眠のトラブルについてより踏み込んだ資格になります。滋賀医科大学の講座の中の「入門講座」を受け、認定試験に合格すると無事資格を得られます。講座は年に2回開催されており、費用は1万3千円となります。入門講座で行われる内容は、睡眠が持つ役割とその構造や環境、さらには衛生や栄養、体内に関連したことなどについてです。滋賀医科大学の教授や、最高レベルの研究者が講師となっています。
また、1つ上の資格として、上級があります。資格を取得するならば、90分で1コマの講義とし、延べ4日間で行われる15コマの教育講座を受けて、認定試験に合格後に与えられます。定員は毎回60名までで、受講料は学生が3万2千円、一般の方が8万円、初級の資格取得者は6万4千円です。睡眠健康指導士の資格は、滋賀医科大学の睡眠学講座独自のものであるため、大学の単位にはなりません。講義の内容は、他の睡眠関連の資格よりもさらにケアに特化しているように感じられますが、資格を得たとしても、資格取得者が医療行為ができる訳ではありません。
睡眠健康指導士の資格について詳しくご覧になりたい方は、睡眠健康指導士とはの記事をご覧ください。
資格取得方法
睡眠に関する資格は、このほかにもいくつもあります。安眠インストラクターやスリープケアカウンセラーなどもあります。また、赤ちゃんと睡眠に関する資格もあります。どれも取得する場合は、必ず講義を受けないとならずまた必ず認定試験があります。いくつも睡眠に関連する資格はありますが、それぞれで違います。必ず講座の開かれる会場まで訪れないとならないもの、通信講座で勉強できるタイプ、または自宅で受検できるような資格もあり、様々です。通信講座で学べるタイプのものは、忙しい方でも資格取得しやすいためお勧めです。
そのまま自分の眠る環境などに役立てられる場合、友人や家族、同僚などに役立てられるもの、または仕事で役立てられるものと、それぞれの資格には特徴があり性格も違います。ただ科学的な根拠に基づく知識を得られますので、枕を変えてみる、温かい飲み物を飲むなどと手探りで快眠のための方法を探るよりも、このような資格を得た方が、睡眠の仕組みをきちんと知ることができるため、快眠するための改善がしやすいです。
多くの場合は講座を受けるときは受講料が必要となり、決して安い料金ではないので、よく考えてどの資格を取得するか決めた方が良いです。また資格によっては数年ごとに更新しないとならないような場合もあります。更新しないと資格を失うことになるため、注意が必要です。
いかがでしたでしょうか?睡眠に関する資格をいくつかご紹介しました。不眠に悩んでいるような方がいれば役立てられるものばかりであり、それはご自身や友人のみならず、職場や仕事にも利用して役立てられる場合も多いです。日本ではまだ少ないですが、このような資格を得て、専門家として快眠のためのアドバイスなどを行い、仕事をしているような方もいます。どれも民間資格であり、取得まではそれほど難しくなく、しっかり勉強すれば取得可能です。
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