
人間は1日の生活でどれくらいのカロリーを摂取し、それをどのように消費しているでしょうか。一般的に成人の1日のカロリー摂取目安は約1800kcal~2200kcalです。この摂取したカロリーは普段生活している間にカロリー消費しています。動くことでカロリー消費されるのは当たり前に知られていることですが、睡眠中にもカロリーは消費されています。1日何も食べずに寝ていても何故かお腹が空いてしまう・・・こんな経験はありませんか?人間は動かなくても、内臓や脳は動いています。そのため睡眠中でもカロリーはどんどん消費されていくのです。今回は睡眠とカロリーの関係についてご紹介していきます。
睡眠中に消費されるカロリーはどれくらい?
睡眠中のカロリー消費量は体重1㎏あたり1時間で1.02kcal消費されます。
これに性別・年齢別の代謝率を加えると睡眠中のカロリー消費量が算出されます。
〈代謝率〉
男性 女性
20代:1.00 0.95
30代:0.96 0.87
40代:0.94 0.85
例を挙げて計算してみましょう。
例えば体重55キロの30代女性が8時間の睡眠を取った場合・・・
55(㎏)×1.02×8(時間)×0.87(代謝率)=約390kcalを消費したことになります。
睡眠中なぜカロリーが消費されるのか
睡眠中にカロリー消費される理由は何でしょうか。
まず考えられるのは寝返りです。多い人で20~30回ほどしています。寝返りによって体を動かすためカロリーが消費されます。しかし最も関わっている理由は基礎代謝です。基礎代謝とは、呼吸や体温調節など生命を維持するために自動的に行われる活動です。
人は寝ている間も呼吸をして熱を産生しています。そのためエネルギーは消費されます。人によって睡眠中の基礎代謝は違いますが、より脂肪燃焼する人の特長は筋肉量が多い人です。筋肉での代謝は熱生産が主であり基礎代謝の4割を占めています。しかし筋肉量は年齢を重ねていくほど下がっていきます。つまり、加齢により代謝率が下がるのは熱生産に必要な筋肉量が減少して基礎代謝が落ちるためです。基礎代謝は消費エネルギーの約7割を占めています。なので、基礎代謝が低いとカロリー消費も減少し太りやすくなります。
睡眠中に体では何が起こっているの?
意外と知られていませんが、睡眠時には代謝が活発に行われています。脳がたくさんの指令(ホルモン)を出し生命維持を行っているのです。そのために、体内の脂肪が分解され、エネルギーを作っているのでカロリーが消費されるのです。このメカニズムに大きく関わってくるのは成長ホルモンとコルチゾールです。
成長ホルモンとは、糖質の分解を促す働き・脂肪燃焼や代謝をコントロールすることです。さらに、コレステロール値を最適にして骨を成長させ細胞を活性化することに加え、肌の新陳代謝も促す作用があります。成長ホルモンは成長期に多く分泌されますが、成人でも一定量は分泌されています。しかし不規則な睡眠生活を送っていると安定した分泌がされません。成長ホルモンに加えてもう1つ大事なホルモンはコルチゾールです。コルチゾールは、成長ホルモンと似ていますが、唯一違うのは睡眠中の血糖値を維持することです。脳のエネルギー源はブドウ糖です。コルチゾールが脳へエネルギーを供給し代謝などの生命維持を助けています。また睡眠中ではなく起床後にも分泌され、体内のブドウ糖や脂肪を分解します。よって日中の運動で燃焼しやすくしているのです。
質の良い眠りがホルモン分泌を促す
成長ホルモンは深い睡眠時(ノンレム睡眠)に分泌され、コルチゾールは浅い眠り(レム睡眠)時に分泌されます。つまり条件としては、夜10時には寝ることが大切です。シンデレラタイム、ゴールデンタイムという言葉を聞いたことはありませんか?特に夜中2時~3時くらいは成長ホルモンの分泌がピークになりますので、この時間帯は必ず熟睡しておくことが理想的です。しかし仕事や家事をしているとどうしても10時に眠れない人が多いと思います。その場合は午前3時までには眠りましょう。眠りについて3時間深く眠ることで成長ホルモンがまとめて分泌されます。成長ホルモンの分泌に欠かせないもの・・・それはタンパク質です。ダイエットをしている人はタンパク質の摂取を控えることが多いのではないでしょうか。それは反対に肥満の原因になることもあります。成長ホルモンの分泌を促進するために適度なタンパク質を必ず摂取しましょう。
質の良い眠りをしよう
1:ケータイの明るいライトはあびない
みなさん、寝る前にスマホでLINE・SNSなどをチェックしてしまいがちだと思いますが、睡眠前に明るい光を浴びることでメラトニンという睡眠を誘発するホルモンが分泌されなくなってしまいます。自然な眠気が来てもスマホの光を浴びることで質の良い睡眠が遠ざかってしまっているのです。眠る前はスマホの使用を控えることをおすすめします。またiPhoneの場合night shiftという機能があり、目の疲れを抑えることができるようなので寝る前にはnight shiftにするのもいいでしょう。
2:食事は睡眠の3時間前
寝る前に食事をすると、本来睡眠中の基礎代謝に使われるエネルギーが消化に使われ、消化に血流が行くるため脳への血流は減少します。また睡眠中の消費カロリーが減るため、消化しきれなかった脂肪はそのまま内臓についてしまいます。反対に胃が空っぽの場合は脳に血流が集中してしまい覚醒状態が続きます。そのためどちらの状態も質のいい睡眠をとるのは難しく、これらの中間の状態である食後3時間に寝るのが望ましいです。また、どうしても時間を守るのが難しい人には、消化の良いものを食べるようにしてみましょう。
3:睡眠時間は6~7時間
皆さんの睡眠時間はどれくらいですか?朝起きてスッキリ感じるくらい寝たいですよね。睡眠不足だと、睡眠中に代謝しきれなかったエネルギーがある状態で空腹ホルモンであるグレリンが分泌されるので、余分なカロリーを摂取してしまいます。グレリンが多く分泌されると、揚げ物やラーメンといった高カロリーなものを欲してしまう傾向になります。反対に、睡眠が十分に取れている人ほど満腹を感じるホルモンであるレプチンの分泌が増加し、食欲を抑えてくれるのでダイエット中には睡眠時間に特に気を使いましょう。
4:睡眠前の運動は注意
睡眠を取る前に体を動かすことは悪いことではありませんが、ダイエットとしてやりすぎると良くありません。例えばウォーキングや筋トレといった無酸素運動は体温がなかなか下がらないため、睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されにくくなり質の良い睡眠が出来ません。また、交感神経が刺激されることも寝つきが悪くなる原因になります。無酸素運動は寝る前ではなく、睡眠3時間以上前に行ないましょう。息が上がらない程度の適度なストレッチは身体をリラックスさせる効果があるため問題はありません。
5:睡眠中の消費カロリーを増やすために水分を
寝る前にはノンカフェインのものや水を摂取しましょう。睡眠中の消費カロリーは水分を取ってからの方が多くなります。また、寝ている間に人は汗などかきます。脱水症状になって睡眠を妨げてしまわないよう寝る前の水分は大切です。
まとめ
いかがだったでしょうか。睡眠中のカロリー消費が効率的に行われることで、年齢を重ねて基礎代謝が悪くなっても改善できます。自身の生活環境に少しでも取り入れてみてはいかがでしょうか。
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