毛布は素材により、肌触りや機能性が大きく異なります。自分に合う毛布を見つけるために、どんな素材があるのか、素材によってどんな特徴があるのか知ることが大切です。こちらのコラムでは毛布の素材とその特徴についてご紹介していきます。
アクリル製の毛布
まず初めにご紹介するのはアクリル製の毛布です。アクリル製の毛布はリーズナブルで、比較的手軽に入手できることが大きな特徴です。
素材であるアクリルは、アクリロニトルという物質を原料とした合成繊維です。アクリルの質感は羊毛に似ており、保温力に非常に優れた素材であると言えます。寝具店以外にもスーパーなどの量販店でも販売されており、5,000〜10,000円前後の価格で簡単に入手することが可能です。アクリル製の毛布は保温力は高いだけでなく、寿命も15~20年あり、破損の可能性も低いことからコストパフォーマンスのよい毛布であると言われています。
アクリル製の毛布には、生地を2枚重ねにしたマイヤー毛布と、1枚のみで作成したニューマイヤー毛布があります。1重の毛布については縫製の手間がかかるため高価となる傾向がございますので、価格を重視してアクリル製の毛布を選ぶのであれば2枚重ねのマイヤー毛布を選ぶことをお勧めいたします。
アクリル毛布のデメリット
アクリル毛布のデメリットは、吸湿性が低いことです。人間は寝ている間にコップ1杯分の汗をかくと言われていますが、アクリル毛布ではそのような湿気を吸い取ることができません。アクリル製毛布を使用することで、睡眠時に寝具の中でじめじめとした不快感を感じるという方も多いようです。また、化学繊維を使った製品では静電気を帯びやすく、ほこりやアレルゲンを吸い寄せてしまう傾向があります。ハウスダストなどアレルギーが気になる方は静電気の対策を行っている製品を選んでいただくことをお勧めいたします。
アクリル製毛布の特徴まとめ
保温力はあるが、吸湿力に欠けるとにかく何よりも値段を重視するという方に向いた毛布です。
東京西川 2枚合わせ 毛布 アクリル シングル 日本製 ホワイト 抗菌加工
ポリエステル毛布の特徴
この時期の睡眠に欠かせない、毛布。毛布の素材で忘れてはいけないのがポリエステル製の毛布です。ポリエステルの毛布はアクリル毛布以上に安価な毛布です。3,000円台から購入することができ、化繊でもいいから低価格のものを探しているという方にお勧めの毛布です。
ポリエステルは、綿の代替え品としてフリース等に利用されている素材になります。ここ数年、アクリルの価格が高騰しており、化繊毛布の原材料は、アクリルからポリエステルにシフトしてきていると言われています。
ポリエステルの毛布は、スーパーやホームセンターなどでも、量産品として3,000円程度から販売されており、非常にリーズナブルであることが特徴です。家庭の洗濯機でも洗うことができ、乾きやすいため、おねしょや飲み物をこぼした場合でも気軽に洗濯することができます。洗濯後もシワになりにくく縮みにくいため安心です。染色についても行いやすいので、キャラクターの図案の毛布などお子様のいらっしゃる家庭では特に重宝されています。
ポリエステル製毛布は技術の進歩から肌触りがアクリル素材のものと似たふわふわとしたものから、フリース地まで再現可能です。しかし、ポリエステルの毛布は吸湿性、保温性はともにアクリルと比較すると落ちると言われています。ポリエステル製の毛布で睡眠する場合には掛布団や敷布団などその他の寝具にこだわることをお勧めいたします。
ポリエステル毛布の注意点
また、ポリエステル素材の毛布で最も注意しなければいけないのは帯電性です。静電気が起きやすいため、就寝の際や毛布を触っただけでもピリピリとした電気の走る感覚を感じる方もいらっしゃいます。帯電性についてもアクリル製の毛布よりも高いため、帯電体質の方は避けていただくとよいでしょう。
ポリエステル毛布まとめ
毛布の中でも最もリーズナブルに購入できるポリエステル製の毛布は手軽に洗濯を行うことができ、シワにもなりづらく扱いやすい。保温性、吸湿性ともに低いため、快適な睡眠のためにはその他の寝具で補完していくことが大切です。
ottostyle.jp マイクロファイバー毛布 シングルサイズ 幅140cm 【ブラック】 豊富なカラバリ マシュマロタッチ フワッとやさしい肌触り ふんわり やわらか
ウール製の毛布の特徴
毛布の代名詞とも呼ばれるウール製の毛布についてご紹介します。毛布という名前からもわかるように毛布は本来動物の毛を使って作るものであり、羊毛であるウールの毛布は伝統的な存在であると言えます。
ウールはクランプと呼ばれる特有の縮れた繊維が絡み合った構造をしており、体積の6割が空気であると言われています。この層が断熱材の役割をして、冷たい空気を遮断します。ウールの温かさを厚さに比例します。クランプ構造の生み出す弾力性のおかげで身体に馴染み、厚い生地の毛布を選んでも軽く、温かいのが特徴です。ウールの毛布は、吸湿性も高くポリエステルの37倍、木綿の2倍あります。また吸い込んだ水分を逃がす放湿性も高い素材ですので、陰干しするだけで乾いた状態にすることが可能です。
ウール特有の保温力を十分に味わうには、ある程度の厚みのある製品を選んでいただくことをお勧めしていますが、品質のよいウール100%の毛布は数万〜十数万といった価格となります。ウール製の毛布であると考え、一生ものの毛布であると考え大切にお手入れをしながら使用いただくことをお勧めいたします。
ウール毛布のデメリット
ウールは、撥水性があるので水滴を弾くという特性があるため飲料が数滴こぼれた場合であれば、拭き取ることが可能ですが反面、いったん汚れてしまうと非常にケアが難しいというデメリットがあります。なるべく汚さず使用することが大切です。洗濯を行う場合はドライクリーニングに出す必要があります。干すのを忘れて水分をたまることで虫が湧くことがありますが、ウールは日光に当たると変色してしまうため天日干しを行うことができず、干す場合にも注意が必要です。
ウール毛布まとめ
ウールは素材としての保温力が圧倒的に高いことが特徴ですが、厚さと保温力は比例しますので、十分な厚みのある製品を買うことが大切です。普段から丁寧な扱いを心がけなるべく汚さないように使用していきましょう。
公式三井毛織 国産 スリープ イン メリノ ウール 毛布 140×200 cm たて糸も横糸も細いメリノウール
キャメル毛布の特徴
快適な睡眠を目指すうえで、さらに毛布にこだわっていきたいという方にお勧めなのがキャメルの毛布です。キャメルとはラクダのことであり、キャメルの毛で作った毛布は羊毛の2倍に相当する吸湿性があると言われています。またキャメル独特のなめらかな肌触りとぬめりのある感触、見た目にも光沢感が癖になる方も多くいらっしゃいます。
キャメル毛布は、動物の毛を用いた毛布の中でも、特に高い人気があります。ラクダというと砂漠など熱帯地域に生息しているイメージがありますが、寒冷地にも多く生息しており、毛布に使われるラクダは主に中央アジアの厳しい寒さのもとに飼育されています。成長の過程での厳しい寒さに耐えられる様に体温調節を行っている肌毛は非常に軽く、強靭で保温性に富んでおり、高級肌着などにも使用されています。
キャメルの毛布はウールよりもさらに上質であり、10万〜15万円程度が相場となっています。キャメル毛布については特に化学繊維を混ぜた混紡の製品も売られていますので注意が必要です。混紡となると、保温性、吸湿性ともに大きく下がってしまいますので、ワンランク下のウール100%の毛布を購入されることをお勧めいたします。
保温力、吸湿性に優れたキャメル毛布、ですが肌触りに関しては若干好みが別れます。キャメルは毛が硬いため、触れた時にチクチクとしていると感じる方もいらっしゃいます。柔らかな質感をお好みの方はほかの種類の獣毛を選んでいただくことをお勧めいたします。また、動物の毛を使用した毛布については、湿ったまま放置することで虫が湧くことがあります。干し忘れに注意してください。
キャメル毛布まとめ
気温差70度以上の厳しい環境で育ったラクダの毛を使用したキャメル毛布は保温性、吸湿性ともに抜群です。蒸れ感に悩まされることなく暖かな睡眠の時間を過ごせます。ぬめりのある感触は好みの分かれるところ、購入時には触って感触を確かめてみることをお勧めします。
シングル プレミアム 純粋 キャメル 100% 毛布 ウールマーク付 ヘリは梳毛糸ウールの縫製 公式三井毛織 日本製 たて糸横糸キャメル採用
カシミヤ毛布の特徴
せっかく天然繊維の毛布を買うのだから肌触りにこだわりたいという方にお勧めなのがカシミヤ毛布です。カシミヤは繊維の宝石とも呼ばれ、柔らかい肌ざわりと、高級感が特徴です。獣毛の中でも吸湿性や発散性が高いことから快適な睡眠のお供にぜひ検討していただきたい毛布の一つでもあります。
カシミヤは、インド北西部のカシミール地方に生息するカシミヤ山羊から採れる繊維となります。夏期の日中の気温が30~40度、冬の気温が零下15~30度と、60度前後の温度差のある気候の中で育った肌毛は、繊度が極めて細く、繊維が長い良質な原毛となります。高級コートやストール、セーターなどにも使用されるカシミヤを使用した毛布は保温性、吸湿性、肌触りどれをとっても文句のつけようのない、極上の睡眠を約束します。
カシミヤ毛布購入の注意点
カシミヤの彩毛は年1回だけしか行われず、一頭あたりわずか150g~250gの量しか獲れないため非常に高価となります。その希少性のためウール等の繊維と混合した製品も多く出回っています。100%カシミヤを使用した毛布ですと価格は優に10万円を超えます。また同じカシミヤの中でも産地や性別によって質は大きく異なります。綿毛の含有率と毛色から1~10の等級に分かれています。現在カシミヤの産地には残念ながら商道徳感が低いため、カシミヤの質に関しての基準が明確でないところもありますので、せっかくカシミヤの毛布を買うのであれば信頼のできるメーカーやお店から購入することが大切です。
カシミヤ毛布まとめ
天然繊維を使った毛布の中でも最高級と言われるカシミヤ。
抜群の吸湿発散性と肌ざわりはファンも多く、多くの人に愛されています。
希少性からお値段の張る商品となりますがカシミヤ独特の輝くような光沢と滑らかな肌触りはクセになること間違いなしの価値があるかと思います。
高級カシミヤ毛布 シングルサイズ カシミヤ100%(毛羽部分) 東京西川協賛価格 日本製 送料無料
シルク毛布の特徴
寒くなるこの時期、私たちの睡眠の強い味方、毛布。ワンランク上の睡眠を手に入れるためにお勧めの毛布素材についてお届けしています。天然繊維の中でご紹介したいのがシルク。絹は繊維の女王とも呼ばれ、滑らかな肌触りは他の素材の群を抜いています。通気性、吸湿性、保温性に優れ、ほこりも出ないためアレルギーのある方にもおすすめのシルクの毛布についてご紹介します。
見た目の光沢感、高級感だけではなく、シルク毛布の一番の特徴はその寝心地の良さにあります。シルクは綿の1.5倍の吸湿性があり、放湿性も兼ね備えています。睡眠時にかいた寝汗を吸収し、布団の外の放出することでさっぱりとした快適な睡眠を維持してくれます。
シルクというと保温性のあるイメージの少ない方もいらっしゃるかもしれませんが、シルクはフィブロインという繊維で構成されており、他の繊維と比較するととても細かく、細かい繊維と繊維の間にはたっぷりと空気を含むことが可能です。この空気層が断熱材の役割を担い抜群の保温性を実現します。また空気層があるということは、通気性にも優れているということです。シルクの毛布は暖かいのに熱がこもりにくく、快適に眠ることが可能です。
シルク毛布の欠点
シルクには大きな利点がある代わりに、マイナス点のあります。シルクがどの程度含まれる商品を選ぶかにより異なりますが、シルクを多く含む毛布についてはお値段が高くなります。また、シルクは基本的に薄手の素材となり、保温性があるものの薄い毛布を選ぶことでやはり分厚い毛布と比較すると暖かさは劣ることになります。
また、シルクは非常にデリケートな素材であり摩擦に弱く、紫外線を吸収することで黄色く変色する性質があります。基本的に水洗いはできませんのでクリーニングに出すことになります。シルクは消耗品であり、維持費もかかります。
シルク毛布まとめ
光沢感、肌触りは睡眠の時間をワンランクもツーランクもアップ。保温性、吸湿力、通気性を併せ持ったシルク毛布は寝心地がよくクセになる毛布です。半面、デリケートな素材であると同時に、ダメージを受けてしまうと回復は難しいため長く使っていただくには不向きな素材といえます。消耗品と考えて使用いただくことをお勧めいたします。
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。