睡眠のゴールデンタイムという言葉を聞いたことのある方も多いかと思います。ゴールデンタイムというと10時から2時までであるというのをよく聞きますが、睡眠のゴールデンタイムは、何時から何時までと決まっているわけではありません。実はゴールデンタイムは睡眠の深さが関係しています。ゴールデンタイムに眠ることで、身体に0はどんなことが起こっているのでしょうか。また、どのようなメリットがあるのか、どんな睡眠方法が疲れを取るのに最適であるのかなど、ゴールデンタイムと睡眠の関係についてご紹介します。
ゴールデンタイムと睡眠メカニズム
ゴールデンタイムの睡眠がなぜ大切であるのか、それには成長ホルモンが大きく関係してきます。成長ホルモンは睡眠中2時間から3時間の間隔で下垂体前葉より分泌されるホルモンです。主に代謝をつかさどっており、疲労回復、タンパク質の生成を行っています。成長ホルモンは子供にとっては身長を伸ばすといった成長に関係してきます。寝る子は育つなどといわれるのはこれが原因です。大人にとって成長ホルモンは、身体の細胞を修復してくれる働きがあります。分かりやすく例を挙げると、肌のターンオーバー・筋肉の疲労回復
などに効果的です。起きている間、身体は様々なダメージを受けています。それらを回復させてくれるのが睡眠です。睡眠中にできるだけ多くの成長ホルモンの分泌することで私たちは活力のあふれる毎日を送ることができるのです。
成長ホルモンを効よく分泌させるために、睡眠中にホルモンがどのようなタイミングで分泌されているか考えていきましょう。睡眠は大きく分けるとレム睡眠とノンレム睡眠に分けられます。成長ホルモンはノンレム睡眠で分泌されるといわれています。ノンレム睡眠は4段階に分けることが可能です。
第1段階:入眠期
第2段階:軽睡眠期
第3段階:中等度睡眠期(徐波睡眠・中程度)
第4段階:深睡眠期(徐波睡眠・深い)
ノンレム睡眠の中でも第3段階、第4段階の眠りの深さに位置する中等度睡眠期、及び深睡眠期は睡眠開始後2~3時間程に多く現れます。成長ホルモンはノンレム睡眠の中でも睡眠深度の高いほど多く分泌される傾向があり、成長ホルモンをより多く分泌させるためには、眠りについてからの約3時間にどのくらい第3段階、第4段階の睡眠をとれるかが重要です。この時間は睡眠のゴールデンタイムと呼ばれています。
例え睡眠時間はたくさんとれていたとしても、深い睡眠に入れていないと成長ホルモンの分泌はされづらい傾向があります。効率よく深い睡眠につくためには、深夜0時には就寝をするのがいいと言われています。
深夜0時には寝ていただきたい理由がもう一つあります。その理由は「メラトニン」です。メラトニンとは入眠作用のあるホルモンであり、起床後15時間程度の濃度がもっとも高くなるといわれています。メラトニンの分泌量が減少すると、深部体温・脈拍などが上昇し始めるため、深い睡眠につきにくいといわれています。ですので、深い睡眠をとるためにはこのメラトニンの分泌が活発な時間帯に睡眠が開始できるように調整いただくことをお勧めいたします。ゴールデンタイムでの睡眠はメラトニンとも深い関係があるのです。
ゴールデンタイムに睡眠をとるメリット
ゴールデンタイムは睡眠のメカニズムの観点からも重要な時間帯です。次にゴールデンタイムに睡眠を取るメリットを5つご紹介します。
疲労回復
先程少し説明しましたが、ゴールデンタイムには成長ホルモンが分泌され、細胞を修復してくれ日中で疲れた身体を癒してくれます。疲れを取るには睡眠が一番です!!
免疫力アップ
疲労回復と同様に成長ホルモンが免疫力を高めてくれ、風邪や生活習慣病といった不調を防ぐ効果もみられます。
美肌効果
よく「睡眠不足はお肌の大敵」といった言葉を耳にしますがその通りです。ゴールデンタイムの睡眠で成長ホルモンが分泌されることで、肌の組織を修復・再生をしてくれます。肌の新陳代謝が活性化されシミ・シワといった将来的な肌トラブルを解決してくれるでしょう。
太りにくいからだに
こちらも成長ホルモンの分泌が関係していますが、体を修復するときに脂肪を分解してくれる働きがあります。ダイエットとして食事制限をする・運動するといった方法に目が行きがちですが、成長ホルモンがきちんと分泌される十分な睡眠をとることで、太りにくい身体を手に入れることが出来るのを活用しない手はないでしょう。
記憶力アップ
ゴールデンタイムは身体の疲れを取るだけでなく、脳の疲労回復にも効果的です。良質な睡眠を取ることで、記憶力がアップすると言われています。記憶は睡眠中に整理されているといわれています。夜遅くまで机に向かうのではなく、適度な睡眠をとることで勉強したことをしっかりと自分の力として定着させることができるのです。
ゴールデンタイムのための睡眠方法
ゴールデンタイムに睡眠をとる重要性がわかったら、次にゴールデンタイムの睡眠の質を上げていきましょう。ゴールデンタイムをより有効にするための方法を紹介します。
- 睡眠直前のスマホ・テレビ・食事はやめましょう。
スマホ・テレビ画面は私たちが考えている以上に強い光を放っているといわれています。入眠前にこれらの光を目にすることは脳への過度の刺激となります。食事は消化器に血液がいってしまうために睡眠中の脳への血液が減少させてしまいます。入眠前に脳に不要な刺激を与えることは、ホルモン分泌を妨げる傾向があります。
- 睡眠環境を整えましょう
湿度・・・寝室の湿度は50%前後がいいとされています。睡眠中の乾燥で睡眠を妨げないようにチェックしておきましょう。また、湿度の管理は風邪などのウイルスにも対策ができます。
照明・・・睡眠中は真っ暗がいいですが、入眠前は蛍光灯のような白い光は避け間接照明のような淡い光がお勧め
です。
寝具・・・自分自身に合ったマットレス、枕を選びましょう。固すぎるもの、柔らかすぎるものは睡眠中の身体への負担がかかります。また寝返りのサポートがうまくできないなどのデメリットがあります。
- アロマなどのリラックス効果があるものを使ってみましょう
アロマオイルなど自分が好きな香りを使用すること、ヒーリングミュージックをかけてみるのもいいでしょう。特になかなか寝付けない方は、手持ち無沙汰にスマートフォンを扱う代わりに、リラックスする時間を持つことに意識を集中するとぐっすり眠ることができるかもしれません。
- 騒音などの気になる生活音を防ぐ
パートナーのいびきがひどくて眠れない、道路が近くて騒音で目が覚めるといった問題があると熟眠どころではありません。睡眠前は小さな刺激にも敏感になります。可能であれば寝室を変える、もしくは引っ越しを考えることをお勧めします。とはいえ、なかなか難しい場合は耳栓をお勧めします。騒音をシャットダウンすることで安眠を手に入れることができます。また最近はいびき対策のグッズがたくさん売られています。睡眠グッツを上手に活用するとよいでしょう。
- お昼寝(シエスタ)を20分する
夜更しをした次の日はどうしても眠くなってしまいます。そんな方には、無理せずお昼寝をしていただくことをお勧めしています。昼寝は午後の仕事効率を上げるだけではなく、夜の睡眠の準備として役立ちます。お昼寝は20分程度が最も効果的です。30分以上の昼寝は夜の睡眠に影響を与えるため注意が必要です。また昼寝前にコーヒーを1杯のむとぐっすり眠れるそうです。昼寝の体制は座って寝る方がいいとされています。
睡眠は身体の疲れや脳性疲労を回復する効果があります。睡眠はただ時間を長く取るだけでは意味がありません。睡眠のゴールデンタイムは入眠後3時間程度であるといわれており、この時間にどれだけ深い眠りに入れるかがポイントとなります。ゴールデンタイムを活用することで、身体のだるさや日中の活動性に変化を感じる方も少なくありません。ゴールデンタイムに熟睡するための改善ポイントについては出来るところから行っていただくことをお勧めします。
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